配偶者居住権②

本来の確定申告期限から10日ほど経過してやっと確定申告業務が落ち着きました。

昨年同様、確定申告期限が4月15日まで延期されたことによってまだお忙しい事務所様も多いことと思います。

私も業務に追われて配偶者居住権①を書いてから2ヶ月以上経過してしまいました^^;

さっそく配偶者居住権①に記入した通り、後者のケースについて詳しく書きたいと思います。

後者のケース・・・子供が居住用建物を相続するがお母さんに無償で住まわせてあげるケースです。

普通にお母さんが相続して住み続けるのとどのように違ってくるのかです。

まずは普通のケース
お母さんに居住用建物についての相続税が課税されます。(配偶者の税額軽減の適用前)

後者のケース
子供に居住用建物についての相続税が課税されます。

後者のケースに配偶者居住権を取り入れると
子供にかかる相続税は居住用建物から配偶者居住権の評価額を引いたものに課税されます。

配偶者居住権の評価額の算出方法については国税庁HPよりご確認ください。

国税庁HPの具体的計算例の数字を見ると
配偶者の年齢が80歳で相続開始時に建物が10年経過している(比較的新しい建物ですね)場合
建物の相続税評価額が2,000万円の場合、配偶者居住権は13,294,783円となります。

つまり子供に課税される相続税の対象となる評価額が2,000万円-13,294,783=6,705,217円になるということです!

もちろん、配偶者居住権の評価額である13,294,783円はお母様の相続税の対象となりますが配偶者の税額軽減を適用すればゼロになる可能性があります。(配偶者が相続する財産が1億6,000万円以下の場合など条件を満たす場合に限ります)

そして配偶者が亡くなった時には配偶者居住権は消滅するため課税はありません。

自分が家を相続して無償でお母さんを住まわせてあげようという考えでいる方は、配偶者居住権を利用することで節税になる可能性があります。

皆様の居住を守るために税務上色々な制度があります。そのどれを適用するのが最も良いのか、そういったことの相談に乗れるよう日々勉強して新しい制度も積極的に取り入れていきたいと思います。

全ての方にこの制度が良いというわけではありませんので、きちんと信頼できる専門家に相談して良い相続をしましょう。

※わかりやすくするために色々と省いておりますのでご了承ください。